【5】経済の基本原則
■物価の高低と経済要因
物価の高低は、次の要因が影響すると考えられています。
| 経済要因 | 景気 | 金利 | 出回っているお金の量 |
| 物価高 | 好況 | 高い | 多い |
| 物価安 | 不況 | 低い | 少ない |
この3つの要因(景気・金利・お金の量)は、それぞれが関係しあっています。
好景気では、物価が高くなります。
一つ目は、需要と供給の関係です。消費者の消費意欲が高いので、商品の値段を高くしても買うだろう、ということで値段が上がります。
二つ目は、好景気では「出回っているお金の量」が多いので、商品の値段が上がります。
故に、好景気は、物価が高くなるのです。
そこで、物価が高くなりすぎると、国民の生活に困窮が生じるため、日銀は、物価高を改善しようとします。
日銀の行う方法の一つが「公定歩合の操作」です。
「出回っているお金の量」が多いので、「金利」を高くします。金利を高くすると企業が銀行からお金を借りなくなります。
よって「出回っているお金の量」が減ります。
「出回っているお金の量」が減ると、物価が下がります。
二つ目の方法が「公開市場操作」です。
各銀行の持つお金を増減させることで、「出回っているお金の量」を調節することです。
銀行に国債を売ることで、銀行が持つお金の量を減らします。これを売りオペレーション(売りオペ)といいます。
これで、銀行は貸し出せるお金が少なくなったので、お金を貸しにくくなります。
そのため「出回っているお金の量」が減り、物価が下がります。
逆に不景気では、物価が低くなります。
不景気では、消費者は消費意欲が減退しています。そのため物価を下げないと、買ってくれません。
また「出回っているお金の量」が少ないので、日銀は、先ほどと逆の政策を行い、「出回っているお金の量」を増やします。
■為替と物価
物価が変動する要因の一つに、為替相場の影響が挙げられます。
さきほどは、「出回っているお金の量」によって物価が上下するという説明をしました。
これは、主に国内要因です。
為替は、これとはまた趣が違っています。
日本の場合を考えてみましょう。
円高は、物価を下げる働きをします。
円安は、物価を上げる働きをします。
表題に挙げた「経済原則B物価安=円高、物価高=円安」とは、このことを指しています。
つまり、物価安だから円高なのではなく、円高だから物価安なのです。
物価高だから円安なのではなく、円安だから物価高なのです。
■何故、円高が物価を下げるのか?
輸入品の物価が下がるからです。
1ドル=100円→90円(円高)になれば、1,000円の輸入品が、900円になります。
輸入のブランド製品や外国の車・家庭用品などの物価が下がります。
輸入していいる石油・鉄鉱石・木材などの資源の価格が下がります。その資源をもとに商品が作られていれば、その商品の値段が下がります。(実際はあまり下がらないが…)
そうして、輸入品が安ければ、国内の商品も競争力を保つために値段を下げます。
これらの効果で、円高は物価を下げる働きがあります。
円安では、この逆の動きがおこり、物価高になるのです。
この円安が原因で起こるインフレを、輸入インフレといい、
円高が原因で起こるデフレを輸入デフレといいます。
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